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はじめに
こんにちは!今日も元気なぷうちゃんです!
本日のテーマは、”猫の歯磨き”となっています。
なお、本記事を見てもらいたい方としては、
・猫を初めて飼う方
・猫に歯磨きをしたほうがいいのかわからない方
・猫の口臭が気になる方
となっております!
私たちは毎日のように歯磨きをし、歯磨きをする理由を聞かれれば、「虫歯を防ぐため」と即答できますよね。
では、動物はどうでしょうか?
私たち人間は”歯磨き”という習慣がありますが、動物の歯磨きを聞いたことがある方はいますか?
中にはある方もいると思いますが、大抵の方は初めて聞くことでしょう。
それもそのはず!
動物も歯磨きをしなくてはならないとしたら、自然界で生きている動物はみんな虫歯だらけになってしまいますもんね。
と前置きはこの辺にして・・・今回は歯磨きの疑問からその必要性を詳しく見ていきたいと思います!
猫の歯磨き
猫の歯磨きはしたほうがいいのか?
猫の歯磨きはするべきなのでしょうか?
この答えは”はい”です!
では、どうして猫も人間と同じように歯磨きをしなくてはいけないのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つあります。
- 歯の病気を防ぐため
- 歯以外の病気を防ぐため
①の”歯の病気を防ぐため”という事はすぐに理解できるでしょう!
私も食後に歯磨きをしますが、それは虫歯になりたくないからです。
虫歯になってしまったことはありますが、歯医者さんの「キィィィィィィンッ」という音が嫌で、食後に必ず歯磨きをするようにしています(汗)
食後に5分だけ歯磨きをすることで虫歯を予防できるのですから、誰でもやりますよね!
人間が歯医者さんへ行きたくないのと同じように、猫も好んで行きたがる子はいません。
そして、猫は自分で歯ブラシを持って歯を磨くという事はできませんので、飼い主さんがやってあげるしかありません。
でも、ここで少し混乱することを述べますね。
実は、猫ってほとんど虫歯にはならないんです。
もちろん、猫の中には虫歯になる子もいます。
しかし、猫の歯医者さんへ来る最も多い病名は”歯周病”なのです。
りん先輩が説明してくれたように、歯周病は歯の周りに関する病気です。
人間にも歯周病はありますが、虫歯ほど騒がれていないため、あまり注目されません。
しかし、この病気は最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気という事を覚えておきましょう。
ここで、猫がどうして虫歯になりにくいのかを説明しますね!
大きな理由は、人間の歯と猫の歯の形が異なるからです。
これが私たち人間の歯です。
これが猫の歯です。
こう見てみると、全然違う形の歯ということがよくわかると思います!
人間の歯が虫歯になりやすいのは、歯の溝に虫歯菌が繁殖しやすいからであり、猫の歯は溝があまりなく、尖っている構造であるので、虫歯菌が繁殖しにくいのです。
では、なぜ猫は歯周病になりやすいのでしょうか?
それは、”プラーク”と呼ばれる歯の垢が溜まりやすいからです。
プラークは歯の中の細菌が蓄積し、固くなったものであり、非常に粘り気が強いため、簡単には落ちません。
人間は毎日歯磨きをすることで、プラークになる前に予防することができますが、猫は自分で予防することができないため、プラークができやすいのです。
また、人間は定期的に歯医者さんへ行き、プラークができても除去できますが、猫の場合は飼い主さんが気づかなければ、プラークだけで動物病院へ行くことはなかなかありません。
これによって、猫は歯周病になりやすくなっているのです。
猫の歯に虫歯がない理由には、もう一つあります。それは、猫の口の中がアルカリ性だということです。虫歯の原因になる虫歯菌が繁殖するのは酸性の環境でないとできません。そのため、猫の歯には虫歯ができにくいのです。ちなみに、人間の口の中は酸性ですので、毎日しっかり歯磨きをしなくてはいけませんね!
猫の歯磨きのやり方と頻度
猫の歯磨きは、私たちが思っている以上に大変です。
特に、成猫(大人になった猫)から歯磨きを始めようとする場合、慣れさせるまでに時間がかかります。
ですので、猫の歯磨きはなるべく小さいころ(離乳期あたり)から始め、歯磨きをすることを習慣化させてあげることが最も良い方法です。
では、歯磨きの実際の手順を説明していきます。
猫の歯磨きに必要なもの
歯磨きをする前にまず、以下のものを用意しましょう!
・猫用の歯ブラシまたはガーゼ
・猫用の歯磨きペースト
・厚めの手袋
歯ブラシは必ず猫用のものを使用しましょう。
人間用のものを使用すると猫の歯茎を傷めてしまい、歯磨きの意味がなくなってしまいますので注意してくださいね。
また、もしも歯ブラシがない場合はガーゼでも代用できます!
猫用の歯磨きペーストはあってもなくてもよいですが、あったほうがやりやすい場合が多いです。
というのも、猫用歯磨き粉には猫の好きな魚味などもあり、臭いや味につられて歯磨きを自然な形で行うことができるためおすすめです。
厚手の手袋は、慣れていない猫の場合のみで大丈夫です!
慣れていない猫の歯磨きをする場合、猫は激しく抵抗することがあります。
その際に、飼い主さんの手を守るために手袋が必要となります。
猫の歯磨きの手順
以上のものがそろったら、さっそく歯磨きをしていきましょう!
猫の歯磨きの3つの手順だけなので、すぐに覚えられます。
- 猫の後ろから抱きかかえるように体を固定する
- 上唇を親指で斜め上方向に引っ張り上げ、口の中を見えるようにする
- 猫用歯磨き粉を歯ブラシに米粒程度乗っけて、奥歯から順に磨く
簡単ですよね!
でも、実際にやるとこれが結構大変なんです・・・
すんなりやらせてくれる猫もいますが、暴れてしまう猫もいます。
うちのぷりん君も口に触るだけで嫌がるので、なかなか難しいです(泣)
でも、そんなときの救世主があるので安心してください!
どうしても歯磨きができない場合
猫の歯磨きがどうしてもできない場合は、以下のような商品を試してみることをおすすめします!
・猫用ブラッシングフード
・猫用歯磨きガム
・猫用歯磨きペースト
”猫用ブラッシングフード”は、いつも通りキャットフードを食べるだけでブラッシングできてしまう優れものです。
猫が歯磨きになれるまでの間やどうしても歯磨きをやりたがらない場合は、このブラッシングフードを試すのもありです。
しかし、ブラッシングフードはコスパが悪いため、ずっとブラッシングフードに頼ることはあまりおすすめしません。
また、ブラッシングフードは市販や通販でも売られていますが、動物病院で購入するのが良いでしょう!
ブラッシングフードは歯磨きの代用品であり、キャットフード(ご飯)の代用品ではないということは注意してくださいね!
”猫用歯磨きガム”は、その名の通りガムです。
といっても、ガムは飲み込まないほうがいいらしいですが、猫用ガムは飲み込んでも大丈夫なように作られています。
犬で例えるならば、ジャーキーのようなものです。
一見、犬はおいしそうにジャーキーを食べていますが、あれも歯磨きを兼ねています。
固いジャーキーを何度も噛みながら食べることで、歯にこびりついた汚れを落としているのです!
猫用歯磨きガムには、魚味などの猫が好きな味があるので、おやつ間隔で歯磨きをするのにおすすめです。
”猫用歯磨きペースト”は、歯磨きの際に使用する歯磨き粉です。
歯磨き粉は通常、歯ブラシと使用されますが、舐めるだけでも歯石等を予防することができますので、ないよりは良いでしょう!
しかし、舐めるだけですので、ブラッシングフードや歯磨きガムに比べると効果は薄いようです。
歯石が溜まってしまった場合、歯磨きで取ることはできません。そのような時は”スケーラー”と呼ばれる特殊な器具で取ります。これは、”スケーリング”と呼ばれ、スケーリング自体は通販などで手に入れることはできます。しかし、スケーリングは歯磨きとは比べ物にならないくらい難しく、一歩間違えると歯茎を切ってしまいます。また、動物病院ですら、スケーリングをする際は全身麻酔で行います。ですので、歯石が溜まってしまったときは、無理をせずに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
猫の歯の病気
歯の病気の種類
猫の歯の病気は、直接歯に虫歯ができるのではなく、歯周病といった口の中におけるトラブルが多いとされています。
また、歯周病は口の中を侵食するだけでなく、全身のあらゆる器官を脅かすことが確認されています。
というのも、歯周病における口内の菌は症状が進行するにつれて口内だけにとどまらず、血管を通って全身に運ばれます。
これによって、口の中のトラブルが全身に影響してしまうのです。
では、このような口の中の病気にはどのような種類があるのでしょうか?
猫の口の中の病気は、”進行性”という特徴があります。
進行性とは、症状が時間の経過とともに進行していくことを指しています。
進行性の病気は薬や適切な処置をすることで、進行を止めたり、遅らせることができます。
ですので、歯周病は早めに対処をすることで進行を止めることができると言えます。
では、実際の病名を時間の経過とともに見ていきましょう!
第1ステージ : 歯周に歯垢(プラーク)が溜まり始める
第2ステージ : 第1ステージの歯垢が固まり、歯石となる
第3ステージ : 歯茎が赤くなり、炎症が始まる[歯肉炎]
第4ステージ : 第3ステージの炎症がひどくなり、膿が溜まる[歯槽膿漏]
第1ステージ : 歯周に歯垢(プラーク)が溜まり始める
歯磨きが十分にされていない歯の周りには、食べ物の残りかすや細菌が溜まります。
この細菌は”プラーク”と呼ばれ、粘着性があるため、歯磨きをしなければ取り除くことはできません。
また、このプラークが歯と歯茎の溝の奥深くまで入ってしまうと、歯磨きだけで取り除くことが難しくなってしまいます。
これを放っておくと第2ステージに進行します。
第2ステージ : 第1ステージの歯垢(プラーク)が固まり、歯石となる
第1ステージの歯垢(プラーク)が石灰化して固まったものが歯石となります。
歯石は、歯磨きによって取り除くことができず、特殊な器具を使用しなくてはいけません。
また、歯石は”石”という名前がついていますが、中身は細菌の塊です。
歯石を除去せずに放っておくと、歯石の上に歯垢が溜まり、それが歯石となって・・・を繰り返します。
そして、この繰り返しの中で第3ステージに進行します。
第3ステージ : 歯茎が赤くなり、炎症が始まる[歯肉炎]
第2ステージでの歯石が溜まることで、歯茎が赤く腫れ、炎症を引き起こします。
これが、”歯肉炎”と呼ばれる症状で、歯石が溜まっている部分が特に赤くなります。
この状態で歯磨きをしようとすると、軽く磨こうとしても歯茎から血が出てきてしまいます。
また、触ろうとすると嫌がり、口の中を見せてもらうのが一苦労になります。
そして、この状態で放置すると、歯周病の最終ステージへと移ってしまいます。
第4ステージ : 第3ステージの炎症がひどくなり、膿が溜まる[歯槽膿漏]
歯周病の最終ステージは、”歯槽膿漏”です。
歯槽膿漏とは、歯肉炎の炎症により歯の根に膿が溜まってしまう症状です。
歯槽膿漏になってしまうと、食事をとることが困難になり、食べ物を口の中に入れると同時に、痛みで「にゃッッ!!」という声を発することもあります。
また、症状が進行すると歯の周囲の組織である”歯周組織”が破壊され、歯を支えている”歯根膜”や”歯槽骨”が壊れてしまいます。
歯槽膿漏になっても気づかずに放っておくと、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうことがあります。
歯の病気のサイン
猫の歯の病気は”進行性の病気”であるため、いきなり歯周病になるということはありません。
ですので、飼い主さんが定期的に猫の歯を見て、歯磨きをしてあげることで、歯周病になるリスクを下げることができます。
では、猫の口の中を見た時、どのような時が正常なのでしょうか?
それは、以下のリストのような症状がない時が正常と言えます。
・歯の色が黄ばんでいる
・歯茎が赤くなっている
・口臭がする
・歯茎から血や膿が出る
・歯の色が濃い灰色になっている
・歯がぐらぐらする
このリストは、上から歯周病の進行順になっています。
ですので、下に行くほど症状が進行してしまっていると考えるとよいでしょう。
このリストにはない症状でも、歯周病が原因である歯の病気はたくさんあります。例えば、猫が花粉症でもないのに頻繁にくしゃみをする場合は、重度の歯周病を患っている可能性があります。歯周病が進行すると口だけでなく、鼻腔にも炎症が起こり、その影響で膿が入ったくしゃみをすることがあるのです。
歯の病気の対処法
猫の歯周病において、飼い主さんが治せるのは第1ステージのみとなります。
つまり、歯垢(プラーク)を除去することのみです。
それ以外は動物病院へ連れていき、診てもらうしかありません。
また、歯石の除去を動物病院でする場合、通常は全身麻酔をする必要があります。
人間のように歯医者さんへ行けば比較的簡単にやってもらえるというわけではないという事を覚えておきましょう!
まとめ
猫の歯磨きについて少しでもお分かりいただけたでしょうか?
猫の歯周病は症状の進行が早く、飼い主さんが気づかないうちに重症になってしまうことが多い病気です。
歯周病が重症化するとあらゆる健康障害を引き起こし、猫の寿命に大きく関わってくるため、できる限り早く対処する必要があります。
そのためには、日ごろから飼い主さんが歯磨きをすることで、猫の歯の予防とチェックをすることが効果的です。
猫の歯磨きを定期的に行い、愛する猫の健康を維持しましょう!